白石市制施行70周年記念企画展「古文書が語る白石の町と村―地域をつくる先人たち―」開催報告(荒武賢一朗)
宮城県白石市では部門発足以来、地元のみなさんとともに歴史資料保全活動を展開してきました。同市が令和6年(2024)に市制70周年を迎えたことを記念して、白石城歴史探訪ミュージアムで、企画展を開催することができました。
今回は現在の白石市域を構成する各地について、江戸時代からその歴史を振り返りつつ、「町」と「村」に注目しながら歴史資料を紹介しました。「町」には、仙台藩重臣の白石城主・片倉氏の家臣団や町人たち、一方の「村」には農業や特色ある産業振興に携わった人びとの記録が数多く残されています。
本ホームページの「調査・研究」や「デジタルコレクション」で公開している渡辺家文書・米竹家文書・白石市図書館所蔵資料など、白石市教育委員会と部門の共同調査によって明らかとなった古文書について、解説および翻刻文を交えつつ、来場者にわかりやすくご説明することを心がけました。
記念展示ということで、白石市にゆかりのある所蔵者のみなさんにご快諾を得て、個人蔵の資料も公開することができました。幕末期作成と推定される精緻な絵図「小原村全図」や、温泉開発に関する文書をはじめ、貴重な歴史資料から「白石らしさ」を感じることができたと思います。
(写真1)旧上戸沢検断屋敷木村家住宅(白石市教育委員会提供)
(写真2)地域新聞『白石実業新報』第1号(白石市図書館所蔵)