コラム:白石古文書サークル -継続は力なり-(小關八郎)

「最初は何が書いてあるのか、わからなかった。しかし、勉強を続けていると文章の意味がわかり、だんだんと面白くなってきた」――これは「白石古文書サークル」に学ぶ会員たちから聞かれるほぼ共通した声ではないかと思います。
2013(平成25)年5月、白石市中央公民館で同館主催事業「古文書講座―初級編―」が開始されて、受講者17名が集まりました。講師は荒武賢一朗先生(東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門教授、当時准教授)でしたが、6回の講座が終わったとき“さらに続けて学びたい”という受講者の希望を先生が快く受け止めていただき、同年9月に会員11名で「白石古文書サークル」がスタートしました。
毎月1回(原則第4水曜日)――2020(令和2)年4月から8月はコロナ禍のため休止を余儀なくされましたが――毎回午前10時から12時の2時間、白石市中央公民館を会場に学習しています。
現在の登録会員は(若干の出入りはありますが)19名。多くは白石市内在住で、近隣市町からの参加者も含まれています。荒武先生には毎回仙台からお運びをいただき、懇切丁寧にご指導を賜り、心から感謝しているところです。
学習会は、荒武先生からご準備いただいた古文書(歴史資料)をテキストに、会員たちが分担をして読み合わせをおこない、読み方の指導、歴史的背景などの解説を受けるという形で進めています。講義はもとより、みんなで教えあい、助け合いながら楽しく学んでいます。
これまで白石市関係では「渡辺家文書」「米竹家文書」「一條家文書」「武藤家文書」など、江戸時代に当地で活躍した武士・町人・百姓たちの記録を解読しました。さらに市外では江戸や京都の古文書や、仙台から江戸へ米や物資を運ぶ廻船の記録などを素材に、いろいろとご指導をいただきました。
毎月1回(2時間)という制約のため、何度か自習用テキストを先生からご提供をいただき、自主的な学習、継続できる環境をもらい、各自のモチベーションの維持にもつながったのではないかと考えています。
これからも先人が遺した貴重な資料を通して、当時の人々の生きざまや、地域社会の一側面などに触れながら、教科書では決して学ぶことのできない世界を味わいたいと思います。
(こせき・はちろう、白石古文書サークル会長)

☆白石古文書サークルにご関心のある方は、
上廣部門メールアドレス uehiro<at>grp.tohoku.ac.jpまでお問い合わせください。
上記の<at> → @ に変更

 

 

 

 

 

 

写真1:白石古文書サークルの学習会

 

 

 

 

 

 

 

写真2:サークル紹介のポスター(2024年3月 白石市公民館まつり)