「講座:地域の歴史を学ぶ◎岩出山Ⅶ 大崎の町人文化―「狂歌」を中心に―」を開催しました(大内充)

2021年3月6日(土)、当部門と岩出山古文書を読む会の主催、大崎市教育委員会の共催で「講座:地域の歴史を学ぶ◎岩出山Ⅶ」を大崎市岩出山公民館にて開催しました。講師には高橋章則先生(大学院文学研究科教授)をお招きし、「大崎の町人文化―「狂歌」を中心に―」と題してご講演をいただきました。感染症対策のうえ、67名の来場があり、皆さん地元の話に熱心に耳を傾けていました。

◇◇◇講座参加記◇◇◇
時間の経つのがあっという間の講演会でした。吉野作造・信次兄弟の話、信次の養子先の話から始まり、一つ一つ謎を解きながら大崎の狂歌について丁寧にお話しくださった高橋先生に心から感謝申しあげます。
私自身は狂歌についての知識が皆無でしたが、「狂」の意図するところは「少し決まりを和らげる」という説明に安心しました。それ故、狂歌への垣根は低く、経済的に恵まれていた人も、零細農家の人も等しく狂歌を愛し、心を注いで狂歌を追求してきたのだと想像します。江戸時代の末期には、大崎地域にも多くの狂歌愛好者がおり、自分たちの地域文化、風景、風物、そして感動を狂歌に載せて伝えてきたと伺い、関係者の活力を感じます。また、多様な歴史の切り口、ということにも興味がわきました。高橋先生は「古文書以上に蔵に眠ってきた板本」というお話をされましたが、人と同じ事をされないからこそ、新たな史料として狂歌に取り組まれたのだろうと感心しました。
終盤に伺った神社への奉額と額の管理の話は衝撃的でした。額に描かれた絵と狂歌が、汚れを落とすために強くこすり洗いされたことで判読が難しくなったということ、いわば、 歴史の扉を開く鍵をなくしてしまったことになります。残念なことですが、このことはどこにでも起こりうる事案だと思いました。
今回の講演を多くの方が聴講したことで、地域の文化を伝えるものへの関心を高め、それらを正しく大切に維持する必要性を実感したことだと信じています。高橋先生のますますの御活躍をお祈りしています。(岩出山古文書を読む会)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場のようす

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