コラム:福島県石川町の歴史と町史資料目録

福島県石川郡石川町は、県の中通り地方やや南よりに位置し、最近は「日本三大ペグマタイト鉱物の産地」、あるいは東北初の自由民権結社「石陽社」(前身は「有志会議」)発祥の地として注目をあびることも多くなってきました。源有光を祖とする石川氏は中世を通して当地方に盤踞していましたが、豊臣秀吉の奥羽仕置で領地を没収され、城主石川昭光は甥である伊達政宗のもとへ去りました。以後当地は城主不在となり、会津領・白河藩領・越後高田藩分領・幕領と支配の変遷を経て幕末を迎えることになります。江戸時代を通じて、当地に武士は居らず、百姓・町人の暮らす土地だったのが特徴です。
さて、『石川町史』の編纂は、平成8年(1996)、まずは資料を収集することから始まりました。所蔵者の方から借用した資料を複写し、一点ずつ袋に入れて返却します。私は平成10年から目録作成に携わってきましたが、初めは昔ながらの「カードとり」、そして袋への鉛筆書きでした。『福島県歴史資料館収蔵資料目録』を手本にし、必要に応じて改編を加えました。途中からはパソコンを導入し、資料の内容に応じて分類しながら直接入力していくという方法に変えて随分手間が省けるようになりましたが、最近知人から送られてきた神奈川県藤沢市文書館発行の資料目録を見て大変驚きました。本体というべき目録は全部CDに入っていて、資料は検索して探すことができ、冊子『歴史をひもとく藤沢の資料』は写真や解説になっています。私には隔世の感がありますが、同時に石川町の資料整理・保存・公開にもまだまだ課題があると感じ、できる範囲で参考にしていきたいと思いました。
ただ、目録作成の方法が変わっても私が常に心掛けているのは「目録を見た人がどんな資料か一目でわかるように」ということです。当たり前のことではありますが、まずは自分が資料について理解していることが大前提ですので、勉強不足の部分は編纂室長や専門分野の方々にお聞きするなどして対応してきました。
石川町史編纂事業は平成24年度(2012)をもって終了しましたが、その際収集した資料の整理は現在も続けています。むしろ、その後新たに発見されたり、資料館に寄贈されたりした資料も多く、目録作成の仕事は今後も継続しなくてはならないと考えています。
(石渡直子 福島県石川町立歴史民俗資料館)

 

 

 

 

 

『石川町史』第四巻資料編2 近世・近代Ⅰ(化粧箱入2分冊、2008年)

 

 

 

 

 

『石川町史』第五巻資料編3 近代Ⅱ・現代(化粧箱入2分冊、2010年)

参考URL
『石川町史』のご案内
http://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/material/10.html