温泉旅館の古文書展示をプロデュースしました。

宮城県柴田郡川崎町青根温泉の不忘閣は、江戸時代には温泉の湯守を務めた老舗の温泉旅館です。離れの御殿をはじめとする建物は国の登録有形文化財に指定されています。古文書も多数所蔵されており、上廣部門開設当初より宮城資料ネットと協力して調査を進めてきました。昨年7月には、その成果報告も兼ねて、公開講演会「川崎のほこり~ふるさとの歴史と文化~」を開催しています。
このたび、部門の高橋の担当で、御殿内での古文書展示を始めることにしました。この春から準備を進め、624日に完成しました。ガラスケース3つ分(各3段)のスペースに古文書15点を並べ、解説用のアクリルプレートを設置しています。古文書は主に江戸時代のもので、仙台藩主が来訪したことなど、青根温泉の江戸時代の歩みがわかる展示になっています。
展示に際しては、不忘閣様はもちろん、川崎町の方々にもご協力いただきました。青根温泉は蔵王から7キロほどの位置にあり、火山活動による風評被害の影響も受けています。そうした地域に少しでも明るい話題を提供できればと考えています。歴史研究や古文書調査の成果を活かした各地でのこうした活動を、今後も続けていきたいと思います。
青根温泉は仙台から車で1時間弱です。もちろん温泉自体も素晴らしく、宿泊もお勧めです。是非お越しいただき、知られざる温泉の歴史をご覧ください。なお、展示の模様は、『河北新報』7月6日朝刊社会面にて「古文書で浸る青根温泉500年」と題して報道されました。

古文書展示のようす  古文書展示のようす

古文書展示のようす