コラム:高校生と取り組む、米沢興譲館高校の学校資料の調査 (佐藤正三郎)

当館では、山形県立米沢興譲館高校が所蔵する歴史資料の調査に、教職員や高校生、同窓会と協働して取り組んでいます。同校の起源は、安永5年(1776)、九代藩主上杉鷹山が創設した藩校にあります。1874年に士族協立の私立米沢中学校となり、1886年には新校舎に移転し、中学校令に基づく正則中学校となりました(同年9月19日が創立記念日)。1900年には県立に移管され、幾度かの校名と制度変更を経て、現在に至ります。校内には史料室があり、教員から史料室長が任命され、校内各所に歴史資料を保管、展示しています。
調査は、まず校長室に保管されてきた典籍を対象に実施しました。以前から書名と冊数を記した仮目録はありましたが、資料には番号付けがなく、活用が難しい状態でした。そこで、校長室から史料室への搬出、仮目録との対照と番号付け、目録作成(作者、発行年、発行元、蔵書印などを採録)、写真撮影、史料室の清掃と保管環境の改善に取り組んでいます。調査により、藩校時代の可能性がある典籍が確認されるなど、蔵書群の伝来が明らかになりつつあります。この他、史料室には藩校の扁額をはじめ、明治期以降の学校日誌や書類、記念写真、同校発行の雑誌、卒業生である著名人の書などがあり、順次調査を進めています。
2024年度には計5日間の集中作業を実施し、延べ50名以上の学生有志と教職員が参加しました。高校生は、旧仮名遣いや蔵書印の篆書などに苦労しながらも、歴史資料に直接触れる経験や、そこに記された情報を採録し、新たな事実を究明する過程を楽しんでいるようです。
2026年には、同校が進める創立140年記念事業の一環である史料室整備に協力しつつ、上杉博物館で藩校興譲館創立250年を記念した特別展を行う予定です。高校生や教職員が学校資料の保存と活用に取り組むことで、地域の歴史に目を向け、その価値を見直す機会を作っていきます。(米沢市上杉博物館 学芸員)

3人1班での目録作成

 

教員と高校生が知恵を出し合っての調査