コラム:地域に密着した郷土資料館を目指して(梶原圭介)

福島県会津美里町にあります「会津美里町郷土資料館(愛称:さとりあ)」で郷土資料館長を務めております梶原圭介と申します。郷土資料館長として業務に従事している今、タイトルにした“地域に密着した郷土資料館” をいつも考えながら務めているところです。
会津美里町は、平成17年に会津高田町・会津本郷町・新鶴村が合併して誕生した町で、今年、合併20年を迎えます。町は、会津盆地の南西部にあり、会津若松市の西隣りに位置する人口約17,000人の自然が豊かな町です。会津で2番目に古い寺院である法用寺や会津総鎮守の伊佐須美神社など古い寺社も多く、また国宝1件をはじめ国及び県の指定文化財が29件もあり、歴史や文化が豊富な町でもあります。
合併20年を迎える町ではありますが、郷土資料館は、令和5年10月1日に開館した施設であり、秋には開館2周年となります。
郷土資料館の開設にあたり、整備検討委員会等においても協議を重ね、整備の方針として、「集める拠点」・「学ぶ拠点」・「親しむ拠点」という3つの位置付けを打ち出しました。これは、資料館というと「イメージが堅い」、「敷居が高い」、「古い民具が展示されているだけ」などと認識されがちですが、それを打破するねらいがあります。町で運営している小さな資料館ですので、まずは、地域の方々にとって、身近に学習ができて、親しめる場所であるべきだと考えています。蔵の中から古い民具や資料が出てきた、○○について調べたい、などの際に、資料館に聞いてみよう、行ってみよう、と思い浮かんでもらえるような存在になることが重要だと思っています。そのために多種多様な情報発信のツールを駆使し、積極的に情報も発信しています。資料館という看板も肝心ですが、町の中に歴史や文化の総合拠点といえる場所(施設)がある、ということがキーポイントではないでしょうか。
地域に密着した資料館となるよう、工夫を凝らし、邁進していきたいと思います。
(会津美里町郷土資料館 館長)

 

 

 

 

 

 

会津美里町郷土資料館(外観)

 

 

 

 

 

 

会津美里町郷土資料館館(展示室入口)