『仙台藩の武家屋敷と政治空間』を刊行しました(藤方博之)
本書は、2020年から取り組んできた仙台藩の武家社会に関する共同研究の成果を、論文集としてまとめたものです(東北アジア研究専書第28号)。2部構成となっており、各部5本、計10本の論文を掲載しています。第1部「城下武家屋敷の利用実態」では、仙台城下の武家屋敷や武家地がどのように利用されていたのかを多角的に分析しました。文献史学・考古学の研究者が参画した研究成果であり、双方の分野で参照し合えるような内容を企図したものです。第2部「仙台藩の政治空間と「家」」では、武家社会の基礎単位であり、政治性を帯びていた「家」に着目しつつ、多彩な武家の人びとを取りあげました。藩政が展開するさまざまな空間のなかで人々がどう行動するのか、古文書の読解を通じて実態に迫った論文を収めています。
本書では、武家屋敷を基点として、仙台藩の空間的な広がりを総体的に把握することを目指しました。本書が日本近世史研究のさらなる深化に寄与できればと念じております。ご関心のある方はぜひご一読下さい。
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