コラム:古文書サロンの紹介(兵庫県姫路市での民間活動)

兵庫県姫路市大塩公民館を会場として「古文書サロン」を開催しています。参加者は姫路市内外にお住まいの一般市民約15名です。姫路大学での古文書ボランティア活動を前身として、2019年に会の名称と活動場所を改め、新たなメンバーも加わっての再スタートとなりました。毎月第4水曜日の午前中、賑やかな時間を過ごしています。
2019・20年度は、播磨国飾西郡田寺村(現姫路市)の土地台帳である名寄帳(松下正和氏所蔵)を調査しました。この名寄帳は表紙・裏表紙ともに欠落していますが、内容から天保5~6年(1834~5)頃の作成と思われ、文久2年(1862)頃までの土地所有の移動が書き加えられています。名請人は250名ほどで、このうち約40名は他村からの入作です。所有の移動がある場合には名請人ごとに年代と石高の集計を記した付箋が貼り重ねられているため、分厚い帳面がさらに膨らんでいます。調査にあたり参加者には各名請人の一筆単位の面積や石高などの情報、所有高の変遷を調査カードに記入していただきました。石高の集計を確認する作業では、電卓を片手に皆さん頑張ってくださいました。
活動の中で参加者皆さんの笑顔に触れるたびに、「楽しさ」が重要な鍵であると気付かされます。歴史資料につきまとう「堅苦しく専門家だけのもの」というイメージを取り払い、身近な存在として史料に接していただけるように取り組んでまいりたいと思っています。今年度は大塩地区の寺院史料を読み解く予定にしておりますが、新型コロナウィルスの問題で2021年4・5月は中止になってしまいました。早く再開されることを待ち望んでいます。(室山京子)

 

 

 

 

 

 

(参考)
・室山京子「地域歴史資料を学び楽しむ「場づくり」」(『ヒストリア』第282号、2020年10月)
・室山京子・松下正和編著『古文書サロン活動報告書;姫路市大塩公民館での活動を中心に』2021年