白石市文化財調査報告書第60集『伊達氏重臣 遠藤家文書~幕末・明治編~』の紹介

白石市教育委員会が寄託を受け、2009年から調査を行っている「遠藤家文書」の3冊目となる報告書『伊達氏重臣 遠藤家文書~幕末・明治編~』が刊行されています。
遠藤家は仙台藩の重臣で家格は宿老。これは藩の奉行(家老)を代々勤める家柄です。本書には、幕末から明治にかけての当主文七郎允信(さねのぶ)関連の史料258点が、一部写真とともに掲載されています。
允信は天保7年(1836)に生まれ、安政2年(1855)に家督を相続すると、文久2年(1862)には藩の使者として上洛を果たすなど、奉行として活躍しました。戊辰戦争後に仙台藩の大参事を勤めた後、明治になると神祇官に出仕し各地の神社で神職を勤め、明治32年(1899)に亡くなります。
本書は3つの章から構成されています。第1章は幕末、戊辰戦争前後を、第2章は明治期の允信の神職としての活動を、第3章は明治という新しい時代を生きる允信と親類、旧臣、旧領などとの関わりを対象にしています。各章には解題があり、允信の人となりや活動、それを取り巻く周囲のとの関係が分かりやすくまとめられています。本書の作成にあたっては、各章の解題執筆者である3名の先生方が中心となって史料を選定、解読しましたが、解読には地元の白石古文書の会にも協力を頂きました。
遠藤家の祖基信(もとのぶ)は、伊達政宗の父輝宗に片倉小十郎景綱を推挙した人物と言われています。後の景綱の活躍とその城下町白石の発展は、基信無しには語ることができません。2009年に「遠藤家文書」が市内で確認された際、改めて片倉家と遠藤家、そして白石との強い結びつきを感じました。
確認された史料の保全には、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの協力を頂き、2011年3月11日に白石市の指定文化財になりました。これからも、「遠藤家文書」は白石の大切な文化財として守られ、そして活用されていくことでしょう。
ご興味のある方は最寄りの公共図書館にご相談ください。また、白石市教育委員会生涯学習課で購入も可能です。(TEL0224-22-1343 担当は文化財係。頒価3000円、送料別途。)
(櫻井和人)

 

 

 

 

 

 

 

 

〈書誌データ〉
○書名:白石市文化財調査報告書第60集『伊達氏重臣 遠藤家文書~幕末・明治編~』
○編集・発行:白石市教育委員会
○発行年月:2019年3月
○内容:
第1章 遠藤允信と幕末維新の政局
(担当:東北大学大学院文学研究科学術研究員 栗原伸一郎)
第2章 神職としての遠藤允信
(担当:国立歴史民俗博物館特任准教授 天野真志)
第3章 明治期の遠藤家と允信
(担当:東北大学東北アジア研究センター専門研究員 友田昌宏)
ほか写真図版、関連年表など全269ページ。
※役職はいずれも発行当時。

〈参考URL〉
白石市教育委員会生涯学習課
https://www.city.shiroishi.miyagi.jp/soshiki/30/