白石古文書の会の活動紹介

〈 粟蒔くや わすれずの山 西にして 〉(松窓乙二)
〈 不忘のふもと 水清らかに 〉  (久松潜一)
蔵王連峰を北西に望み、町中の掘割を清水が流れる白石は、伊達政宗の重臣片倉景綱が礎を築いた城下町です。私たち「白石古文書の会」は昭和58年(1983)に、当地白石の歴史史料保全活動の一環として、白石市図書館所蔵古文書の解読からスタートしました。その時に指導にあたった故中橋彰吾氏は、白石市史編纂委員、白石市文化財保護委員長、文化財愛護友の会会長を歴任、後年は当会の会長としても後進の育成に尽力されました。現会員は高年齢層主体の10名余りで、年々減少傾向にありますが、古文書解読作業に励むかたわら、若手の入会勧誘にも力を入れています。また、なかにはスキルアップを目指して仙台市などで開かれている講座や教室に参加している会員も見受けられます。
以下、「白石古文書の会」の貴重な体験と活動について紹介いたします。平成23年(2011)に『遠藤家文書・中島家文書~戦国編~』(白石市教育委員会)が刊行されました。その2年ほど前、伊達輝宗に仕えた遠藤基信のご子孫宅(白石市在住)から、中世から明治にわたる数千点の文書類が発見されて大きな注目を集めました。早速「宮城歴史資料保全ネットワーク」の皆さまによって整理や撮影などが進められ、その作業の助手的な仕事に当時の全会員が参加、さらに目録カード作成の指導を受けたことが大きな財産となり、その後の活動の支えになっています。
この体験は片倉領の肝入日下家から寄託された文書を報告書にまとめた際に生かされました。1000点を超す古文書の整理に戸惑っていた時期でしたので、その後の整理方法や目録の作成過程では大いに役立ちました。その『八宮村肝入 日下家文書』の解読と校正では当会の伝統とも言える仕法で進めました。解読については2人1組で割り当ての文書を解読しますが、読めない文字や語句に突き当たることはよくあります。判読不可能となれば他のグループに助けを求めます。時として全員が加わり意見を交わしながら進めて完了とし、解読用紙を入力に回します。校正について出力紙(初校)は解読グループ以外の組が校正し、再校はまた別の組が行ってより精度の高い内容を目指します。その都度校正紙には日付と校正者名を記入して、全員参加の意識をお互い持つように確認します。
現在取り組んでいるのは、当会会員(現当主が第二十代の旧家)宅所蔵の文書で約160点を解読中です。片倉家初代景綱が、白石城に入る経緯の内容も含まれている文書もあって、しかも会員のご先祖が書いた記録がほとんどですので、全員の熱の入りようが違って見えます。今後の活動目的は、すでに地元の旧宅から震災害や水害によって預かっている古文書の整理と解読に携わり、地域の歴史保全に寄与できるように見識を高める努力を目指します。
なお、活動場所は毎週水曜日の午前中、白石市図書館(現在は白石市中央公民館に移動中)です。
(白石古文書の会 細田紀明)

 

 

 

 

 

 

白石古文書の会会員

 

 

 

 

 

 

 

成果出版物

【白石古文書の会:活動による主な成果出版物】
☆1.『白石市文化財調査報告書第26集 上戸沢宿検断屋敷木村家文書調査報告書 木村家の古文書』平成15年(2003)
☆2.『白石市文化財調査報告書第28集 渡辺家文書調査報告書 仲間義定録』平成16年(2004)
☆3.白石古文書の会編集『白石市文化財調査報告書第32集 赤井畑家の古文書』平成20年(2008)
☆4.白石古文書の会編集・発行『赤井畑家の古文書 影印本』平成20年(2008)
5.『斎川古路旧跡』白石市斎川 大義寺所蔵 平成25年(2013)
6.『白石市文化財調査報告書第45集 旧八宮村日下家資料 諸書上并永留帳』平成25年(2013)
7.『白石市文化財調査報告書第55集 八宮村肝入 日下家文書~幕末編~』平成30年(2018)
☆=本サイト「調査・研究」ページでPDFファイルをダウンロード可能