川崎町青根温泉で古文書調査報告会を開催しました。

12月8日、柴田郡川崎町青根温泉の旅館「湯元 不忘閣」の大広間にて、「古文書調査報告会 青根温泉佐藤仁右衛門家の世界」を開催しました。
佐藤仁右衛門家は16世紀に青根温泉を発見し、温泉旅館を経営するかたわら、江戸時代には温泉の湯守をつとめました。大正時代には川崎村の村長などを歴任しています。部門では、2012年より佐藤家の古文書調査(第一次調査)に携わり、解読から明らかになった青根温泉の歴史を刊行物・展示・講演会などで発表してきました。
今回の古文書調査報告会は、2015年以降の第二次調査の途中経過と成果をお伝えするために開催しました。タイトル等は以下の通りです。

  • 開会の挨拶 平川新(部門長・宮城学院女子大学学長)
  • 報告①
    「佐藤仁右衛門家の古文書~地域の宝を調べる、読み解く~」高橋陽一(部門助教)
  • 報告②
    「不忘閣のめでた掛け」安田容子(東北大学災害科学国際研究所)
  • 報告③
    テーマ「青根温泉の古文書が語る宮城の歴史」「青根温泉不忘閣の秘密」
    佐々木結恵(宮城学院女子大学大学院修士課程 学生)
    「天保飢饉と佐藤仁右衛門家」
    今井亜希(宮城学院女子大学大学院修士課程 学生)
    「地域の中の戊辰戦争~青根温泉・佐藤仁右衛門家の事例をもとに~」
    高橋直道(東北大学文学部 学生)
    「佐藤仁右衛門家に伝わる明治三陸地震と明治宮城県沖地震の記録」
    井上瑠菜(宮城学院女子大学大学院修士課程 学生)
  • 閉会の挨拶 大宮金治(川崎町文化財保護員員長)小山修作(川崎町町長)

現在、調査では古文書の撮影を実施していますが、学生や川崎町民が加わり、若者や一般市民参加型の調査になっているのが特徴です。報告会でも学生4名が佐藤家文書の中から興味のある史料を取り上げ、発表してくれました。自らが調べたことを発表する、よい機会になったのではないかと思います。
第二次調査で確認された古文書は収納箱約100箱分に上り、撮影は6割程度が終了したところです。年代は明治時代以降のものが多いですが、佐藤家のみならず青根温泉や川崎町の歴史も明らかにできる、地域の宝ともいえる史料です。飢饉や地震といった災害に関する古文書も含まれています。
報告会の参加者は40人ほどでした。調査は今後も継続する予定ですので、新たな郷土の歴史についてお知らせし、ざっくばらんに語り合う場として、これからもこうした機会を設けたいと考えています。ご参加いただいたみなさま、協賛いただいた川崎町の関係各位、お忙しいなか会場を提供してくださった不忘閣のみなさまに厚く御礼申し上げます。

報告会のようす  報告会のようす

報告会のようす