着任のご挨拶(寺内由佳)
4月より着任いたしました寺内由佳です。
これまで研究活動をしながら、宇都宮共和大学やお茶の水女子大学で非常勤講師として教育に携わり、主に栃木県内の自治体が主催する市民大学講座や講演会の講師を務めてきました。
研究テーマの中心は、日本近世における商品流通と、商人が属した社会集団についてです。とくに衣料品(呉服・太物、古着)の流通と、商人の「イエ」・同族団および仲間に関心を持ちながら研究を進めてきました。フィールドは出身地である栃木県をはじめ、北関東を中心としてきましたが、東北地方から近畿地方まで様々な地域で調査をおこなっています。
幼い頃から、自分が暮らす地域の歴史に関する話をきくたびに「どうしてわかるのだろう、本当にそうなのかな」と、興味と疑問を抱いてきました。歴史は、教科書に載っている有名人だけが築いたものではなく、私自身と同じような“ふつうの人びと”による日々の生活の蓄積によって成り立つものだと考えています。
当部門は、それを伝えてくれる貴重な地域資源である歴史資料と真摯に向き合いながら、保全活動と学術研究をおこなうことができる、私にとって理想的な環境だと感じております。これまでの経験を存分に活かしながら、貢献できますよう精一杯努力いたしたく存じます。