開催報告:第6回みちのく歴史講座

 6月22日、東北大学マルチメディアホールにて、講師に大平聡先生(宮城学院女子大学特任教授)をお招きし、「第6回みちのく歴史講座」を開催いたしました。
 演題は「学校日誌を守る、読む、活用する─地域史料としての学校資料─」でした。大平先生は平成21年(2009)より学校資料の調査を開始し、訪問校数は150校を超え、収集資料数は累計1500年分にも及びます。講演は「災害の記憶」(明治三陸地震津波、昭和三陸地震津波、丸森の大水害、関東大震災)、「くらしの記録」(いつも元気な子どもたち、貧困と衛生)、「戦争の記憶」(満州事変、日中戦争、アジア・太平洋戦争)の三部構成で、盛りだくさんの内容でした。
 調査した学校日誌の画像100枚以上を次々とご紹介いただき、災害時の被害状況や被災者支援、学校で禁止される「パッタ」(めんこ)遊び、赤字で記された仙台空襲や敗戦後の思いなど、当時の様子がリアルに感じられました。ご参加いただいた皆さまからも学校日誌の豊富な情報への驚きや保存の重要性、自身でも読んでみたいなど多くの感想をいただきました。地域史料としての学校資料の面白さを伝えたいという大平先生の目的以上の思いが伝わった講演会になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)第6回みちのく歴史講座(2024年6月2日 於東北大学マルチメディアホール)