上廣歴史文化フォーラム「多面性を持つ近世白石商人―渡辺家文書の調査から―」を開催しました(岸野太一)

令和5年(2023)2月11日、白石市中央公民館で、上廣歴史文化フォーラムを開催しました。

主催:白石市、白石市教育委員会、白石市文化財愛護友の会、公益財団法人上廣倫理財団
後援:文化庁、宮城県教育委員会

前日の大雪で足元が悪いにもかかわらず、100名の来場があり、白石市および仙台市や、埼玉県からお越しの方まで、多くの方にご来場いただきました。
今回のテーマである渡辺家文書は、国の登録有形文化財になっている「壽丸屋敷」に居を構えた白石を代表する商家「渡辺家」に伝わる古文書です。平成25年(2013)から上廣歴史資料学研究部門と白石市教育委員会が調査を開始し、現在も作業継続中ですが、36,000点を超える文書群であることがわかってきました。
フォーラムでは、最初に野本禎司先生から「天保期の渡辺家と片倉家・仙台藩」と題して、天保期における渡辺家と領主との関係性について解説をいただき、飢饉などの時代背景があるなかで、領主から実務を任され、激務をこなした渡辺家の実像を具体的に説明いただきました。続いて荒武賢一朗先生は「幕末期における商家経営と人的諸関係」というテーマで、白石城主片倉家との良好な関係を務めた当主の姿や、「壽丸屋敷」の由緒にも言及されました。その他、渡辺家の経営で欠かせない塩や醤油の取引文書も紹介していただきました。
また会場内では、昨年9月に開催された上廣歴史資料学研究部門主催展示会(於・仙台市営地下鉄東西線国際センター駅構内)のパネルを展示し、多くのみなさんに渡辺家文書が持つ歴史的価値を理解していただきました。
これからも白石が持つ歴史の奥深さを知っていただけるように、当地の文化財を多くの皆さんに発信していきたいと思います。末筆ながら、ご協力いただいた関係者各位に厚く御礼を申し上げます。
(白石市教育委員会生涯学習課・博物館建設準備室)

 

 

 

 

 

 

 

写真1:フォーラム会場内のパネル展示

 

 

 

 

 

 

 

写真2:野本禎司氏講演

関連URL
・寿丸屋敷―白石まちづくり株式会社
http://www.shiroishi.info/wordpress/category/%E5%AF%BF%E4%B8%B8%E5%B1%8B%E6%95%B7/

・本サイト内 「ニューズレター」
*別冊史の杜5号「白石商人の足跡~渡辺家文書調査から~」のダウンロード可能
https://uehiro-tohoku.net/survey/survey01