古文書解読サークル「あおばの会」のご紹介(後藤三夫)

古文書サークル「あおばの会」は、2019年度東北アジア研究センター主催の春季古文書講座受講生を対象にして同年8月から川北合同研究棟会議室で開講された「古文書新サークル初級講座」の参加者で結成され、翌年1月10日発足しました。毎月第二金曜日に青葉山キャンパス内にある「せんだい環境学習館たまきさんサロン」会議室で開催しています。現在、私が講師を務めさせていただいています。コロナ感染対策で幾度も中止となりましたが、意味のわからない言葉を全員で考え解決できたり、アメリカの留学生が聴講してくれたり、新入会希望者があったり多くの刺激を頂いています。

初回テキストは東北歴史博物館所蔵・涌谷伊達家文書で元禄期の中級以上の難易度の高いひらがな文書「おほへ」を使用し、20回目の2023年2月度で読了予定です。本文書は、私自身は10年以上前に読んだ物語性のある文書ですが、自分の解読力をアップさせてくれた文書であったので取り上げてみました。参加者に対して解読に入る前にあらすじ・登場人物を説明しておき、年表を作り歴史的背景を話しておくことから始めました。また頻出する難しいくずし字はまとめて解説しておくなどの工夫でハードルの高かった文書も現在では全員解読出来るようになり学習目的は充分達成されたと思います。

次回は山元町歴史民俗資料館所蔵の大條家文書を予定しています。旧所蔵家の奥様もおられますので会全員の方からも賛成頂いています。ただし、これは漢文調の武家公用文書です。全く前回と異なるジャンルの古文書に触れることで解読能力を一層高めることができたらと思います。

現在は幕末維新の「風刺錦絵」(筆者所蔵)に取り組んでおり、初回テキストのひらがな文書解読のまとめをしながら戊辰戦争前夜に思いを致し、次回テキストの解読の準備と位置づけています。身近な地域の歴史に触れながら学習できることに感謝します。

◎参考:「古文書新サークル」を始めました(後藤三夫)(2019年10月17日掲載)
https://uehiro-tohoku.net/works/2019/1641.html