荒武賢一朗・阿部さやか編著『近代地域新聞からみた社会の実像―宮城県・白石実業新報を読む―』(東北大学東北アジア研究センター叢書第69号)を刊行しました(阿部さやか)

特定の地域で発行される「地域新聞」は、町村行政や近隣の事件・事故、学校行事などローカルな話題が多く取り上げられ、住民の暮らしやその変化を知ることができます。本書では、宮城県白石市図書館に所蔵されている地域新聞のひとつ、『白石実業新報』(明治44年[1911]2月11日~大正3年[1914]4月21日、第1~116号が現存、以下『新報』)を用いて、明治時代末期から大正時代初期の白石町(現・宮城県白石市の中心部)とその周辺地域の実像に迫ります。『新報』のなかから、学校・衛生・名産・鉄道・人物など13のテーマを取りあげ、記事の翻刻と図表を掲載しました。また、「白石実業新報を読む」「鉄道の誘致運動」「白石町の衛生・医療」「町政と教育」「地域産業と名産品」「白石人物伝」の論考は、本書の解説を交えてまとめたものです。近代の社会を知る手掛かりとして、また新聞資料を用いた地域史研究を感じながら、皆様にぜひ御覧いただきたく思っております。
部門では白石市図書館と共同で、平成29年(2017)から2年間にわたり同館の古文書や古典籍の所在調査をおこないました。結果、多くの地域新聞の存在が明らかになりました。下記の白石市役所ホームページで目録を閲覧できますので、あわせてご活用いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

◎東北大学リポジトリTOURより全文ダウンロードできます。
http://hdl.handle.net/10097/00133302

◎白石市図書館所蔵 地元発行新聞等の目録
http://www.city.shiroishi.miyagi.jp/soshiki/31/13110.html