事務補佐員に加わりました(菅沼楓)
はじめまして。
今年2月から当部門で事務補佐員として活動に参加している菅沼楓と申します。東北大学大学院文学研究科の修士2年に在籍し、近世日本美術史の研究をしています。
活動への参加のきっかけは、当部門主催の古文書講座(川北古文書学習会)の受講でした。日本美術、とくに私が研究対象としている近世絵画には、作品に制作者の名や制作動機、さらには詩文等といった「款記」が残されるものが多く、それらは研究上重要な史料となります。しかし、美術史では専門的にくずし字や古文書を学ぶ機会が少なく、それらの技術を身に付けられるかどうかは、個人の努力次第となります。そこで、市内で古文書を学ぶことのできる機会はないか探していたところ、当部門の古文書講座のホームページに行き着き、思い切って参加することにしました。
私は大学院で通称「秋田蘭画」と呼ばれる絵画作品の研究をしています。秋田蘭画とは18世紀後半、秋田藩の武士と藩主らが描いた一群の絵画作品のことを指し、遠近法や陰影法などの西洋画法を東洋画に組み込んだ洋風画の先駆けとして評価されているものです。
ただ、私は洋風画としての一面だけでなく、東洋絵画の流れ、または秋田藩内での文化の流れにも注目し研究を進めていきたいと考えております。
事務補佐員の活動では『白石実業新報』の翻刻作業や古文書撮影を行っております。どちらも実際の史料を相手とする作業なので、大学の学びの中ではなかなか体験することのできない貴重な機会をいただいています。
先生方やベテランの事務補佐員の方々から多くの学びを吸収しながら、活動に参加していきたいと思います。