コラム:地下に眠る歴史を探る

【埋蔵文化財とは?】
埋蔵文化財という用語は、文化財保護法により「土地に埋蔵されている文化財」と規定があります。埋蔵文化財は、通常は「遺跡」と呼称されています。
東北大学埋蔵文化財調査室は、考古学の知識と技術を用いて、本学敷地内の埋蔵文化財に関する調査や資料の保管及びその活用を図ることを目的としている組織です。
http://web.tohoku.ac.jp/maibun/

【何をしているの?】
まずは、遺跡が破壊されないように、開発事業に関して様々な調整を行います。その結果、どうしても遺跡に影響がある場合に発掘調査を行います。発掘調査が終わった後には図面等の記録や出土遺物の整理作業を進め、発掘調査報告書を刊行します。その後は、記録・遺物類の保存管理、あるいは展示等の活用に関する事業を行っています。
近年は、とくに活用に関することに力を入れています。埋蔵文化財は、その土地の過去から現在までの歴史を示す貴重な資料です。キャンパス内にある歴史資源を充分に活用し、その成果を地域社会へ還元することは、大学にとって重要な責務だと考えています。

【調査をすると何がわかるの?】
地下には様々なモノが未だに遺されています。このモノとは、建物の基礎痕跡であったり、生活に必要な器だったりします。当時の環境や食生活を示すような植物の種や動物の骨、昆虫等も残っています。
なかなか難しいのですが、多種多様なモノをたくさん確認することができれば、当時の生活等の状況を具体的に復元することもできます。そして、これらのモノの時期がわかれば、連続的にその変遷を追うこともできます。このように、発掘調査を含む研究活動を通じ、文献等にも記録されない一般の人々の通常の生活や、そこから見える社会のありようが具体的にわかってきます。
川内キャンパスは、江戸時代では仙台城二の丸及び武家屋敷がありました。発掘調査をすると陶磁器や礎石の建物跡や井戸等が発見されています。モノからはその場の生活の様子はわかるのですが、それ以上のことは詳しくわかりません。一方で、この時期には様々な文献や絵図が残されています。これらを専門とする文献史学をはじめとする関連分野の研究者と協力し、より鮮明な当時の生活や社会の様子等、新たな研究成果を皆様にお伝えできればと考えています。(菅野智則 東北大学埋蔵文化財調査室)
              地下鉄川内駅前広場工事前の発掘調査の様子
              地下鉄川内駅前広場の調査で出土した陶磁器(17世紀)