仙台市の秋保温泉で部門監修の古文書展示を行っています。
8月1日より、来年の3月末まで、仙台市秋保温泉の老舗旅館「岩沼屋」で、部門監修の古文書展示が行われています。展示されているのは「会津御征伐ニ付御人数面附覚帳」など、今から150年前の慶応4年(1868)に始まった戊辰戦争に、秋保の「山立猟師」たちが従軍した記録です。山立猟師というのは、田畑を荒らす鳥獣を駆除するために鉄砲を所持することが許された百姓のことです。会津藩攻撃を命じられた仙台藩が同年4月に出兵した際、鉄砲を持っていた秋保の山立猟師にも従軍の命が下ったのでした。彼らは福島まで従軍し、兵糧の調達などに従事しました。小規模ながら、戦闘に巻き込まれたことも史料に記されています。戊辰戦争に参加した仙台藩農兵の戦地での実態がわかる、臨場感に満ちた貴重な記録です。
この古文書は、岩沼屋のご当主である橘家からの依頼を受け、部門で撮影や解読を行いました。展示に際しての解説などの監修は、高橋が担当しました。戊辰戦争150年の年にこうした古文書に巡り合え、感慨深い気持ちです。古文書のほか、当時のサーベルも展示されていますので、ぜひ実物をご覧になって、東北史のターニングポイントとなった時代に思いを馳せていただければと思います。
岩沼屋の古文書展示