9月20日、シンポジウム「東北の名所―松島・塩釜のあゆみ―」を開催しました。
9月20日(土)東北大学川内北キャンパスB200教室にて、シンポジウム「東北の名所―松島・塩釜のあゆみ―」(交通史学会・上廣部門共催)を開催しました。交通史学会が例年開催している秋のシンポジウムの企画・運営を、学会会員である部門の高橋が担当して実施したもので、学会との共催イベントという、部門初の事業でした。シンポジウムの特色は、古代から現代に至る東北の名所の変遷を、1つの地域を対象に検証することにありました。対象とした松島・塩釜は距離的に近く、共に古代より歌枕の地として知られた名所で、江戸時代には多数の旅行者で賑わいをみせました。しかし、近代以降、鉄道の敷設や政府の国土計画が進められていく中で、両者の関係や名所としての地位に変化が生じていきます。こうした名所の変遷を、東北固有の要素と交通の動向に着目し、4つの個別報告で検証することにより、名所の歴史的展開が何によっていかに規定されるのかを参加者の皆様と共に検討しようと試みました。報告者とタイトルは以下の通りです。
七海雅人「中世の松島―雄島海底板碑群の紹介を中心に―」
高橋陽一「近世の松島と旅行者―名所雄島の石碑―」
徳竹剛「宮城電気鉄道(仙石線)の敷設と沿線地域」
安達宏昭「戦前・戦後の工業化構想と塩釜―港湾を中心に―」
学会のシンポジウムではありますが、会員以外にも公開し、当日は約160名の方々にお越しいただきました。宮城県の方々にとっては身近なテーマということもあり、討論では様々な立場からご意見をいただき、地域の皆様の名所に関する疑問や思いを知ることができました。有意義で実りある時間を作ってくださった参加者の皆様に心より御礼申し上げます。
会場のようす
討論のようす