コラム:三鷹の古文書を読む:市民による継続的学習の展開(大中原良太)
東京都三鷹市の三鷹市生涯学習センターで実施している講座「三鷹の古文書を読む」は、地域に残された史料を手がかりに、三鷹の歴史を主体的に学ぶ講座です。平成30年に「三鷹の古文書を知る(入門編)」としてスタートして以来、江戸時代の古文書を題材に、初級・中級・実践編初級・実践編中級と、段階的に学びを深めるシリーズ講座として、継続的に開催してきました。
講座では、主に武蔵国多摩郡牟礼村の高橋家に伝来した古文書を読み解きながら、くずし字の判読方法や史料の読み進め方の基本を学びます。年貢や村の運営、人びとの暮らしぶりなど、文書に記された具体的な内容を手がかりに、当時の村の特徴や地域社会の姿を立体的に捉えていきます。講師の野本禎司先生(開智国際大学教育学部准教授、東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門・元助教)の解説を通して、文字の意味だけでなく、その背景にある歴史的な状況や地域の特性にも目を向けながら、史料を多角的に読み解いています。
こうした学びを講座の中だけで完結させるのではなく、継続的な学習へとつなげていくため、三鷹市生涯学習課では、「三鷹の古文書を読む」講座の受講経験者を中心とした自主グループの活動を支援しています。自主グループでは、仲間とともに古文書を読み進め、意見交換を重ねながら、地域の歴史について理解を深めています。市民が主体となって史料に向き合い、学びを積み重ねていく自主グループの活動は、地域の歴史を将来へと引き継いでいくうえで、重要な役割を担っています。三鷹市では令和7年度から市史編さん事業が始まっており、このような学習や活動の積み重ねが市民参加による市史編さん事業に活かされていくことが望まれます。(公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団 三鷹市生涯学習センター)
【写真1】講座の様子
【写真2】野本禎司先生

