『文政10年東北農村の御用留―須賀川市桑名家文書から―』を刊行しました(荒武賢一朗)

 部門と須賀川市立博物館が共同で研究を進めている須賀川市桑名家文書より、東北アジア研究センター叢書第74号として、荒武賢一朗・武田作一編『文政10年東北農村の御用留―須賀川市桑名家文書から―』(2023年12月22日発行)を出版いたしました。
 近世日本の御用留(ごようどめ)とは、江戸幕府や大名家などの領主側、または町や村で記録された公文書の控え帳簿(筆写)です。陸奥国岩瀬郡滑川村(現・福島県須賀川市)の庄屋を務めていた桑名家は、天明4年(1784)から万延元年(1860)に毎年1冊ずつ御用留を作成しました。本書ではそのうち、文政10年(1827)について全文翻刻を掲載し、いくつか特徴のあるテーマについて解説を添えています。おもな内容は、①領主役所からの法令・通達・指示、②租税関連、③参勤交代など大名一行ならびに病気や怪我で搬送される旅人の村内通過、④土木工事などの現地視察、といった事例で、このような村落と領主のやりとりから江戸時代における地域行政の実態が明らかとなるものと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

【関連URL】
東北大学機関リポジトリTOURより全文ダウンロードが可能です。
https://tohoku.repo.nii.ac.jp/records/2000545

本ウェブサイト「刊行物・文書目録・研究論文(PDF)」所収
https://uehiro-tohoku.net/survey/survey04
「須賀川市立博物館所蔵桑名家文書目録」

本ウェブサイト「上廣歴史資料学研究部門デジタルコレクション」所収
https://uehiro-tohoku.net/digital-collection
「須賀川市立博物館所蔵桑名家文書」