コラム:ひらけば始まる 何かが見つかる 山形大学附属博物館古文書史料目録(押野美雪)

 「すぐ出納できる、すぐ閲覧できるがウチの売りだから」と前任者から引継ぎを受けて約8年、山形大学附属博物館で古文書の出納を担当してきました。
 当館は本学地域教育文化学部の前身である山形師範学校にあった「郷土室」を元としています。国立大学の博物館として歴史が古く、また古文書の収集整理を歴代の地理、歴史担当教員が行ってきました。
 さて、当館所蔵の古文書は目録化されているものだけで約32,000点、そのほとんどが山形県内の地方文書です。ほかには米沢市の安田家文書(18号)などの武家文書、山形市三日町の小嶋源兵衛家文書(19号)などの商家文書があります。第1号が発行されたのは1969年(昭和44)、その後、継続的に目録が刊行され、現在39号まで発行されています。目録は県内外の博物館や大学に納本しており、同じものを当館ホームページにてPDFで公開しています。
 当館の看板(?)ともいえる「三浦文庫文書」(7、8、10、13号)は元一橋大学長を務めた三浦新七博士(1877~1947)が収集した県内各地の地方文書です。特に飯豊町中津川地区のものがまとまっており、歴史人口学など多様な分野の研究に活用されています。
 最近では享保・元文期の紅花関係文書や家経営の文書を多く含む山形市下宝沢の會田家寄託會田家文書(38号)、最上川の支流須川の河岸で荷問屋を営んだ阿部家に残った古文書(39号)の閲覧件数も増えています。
 古文書になじみのない方もまずは目録をめくり(またはスクロールし)、つらつら眺めてみてください。思わぬ発見や興味を引くものが見つかるハズ。(山形大学附属博物館)

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(写真)館内設置の目録(使い込まれてボロボロです)