山形県立博物館「令和3年度博物館講座⑥」【1月22日開催】(荒武賢一朗)

2022年1月22日(土曜)午後、山形県立博物館主催(上廣歴史資料学研究部門企画協力)の令和3年度博物館講座⑥で、荒武賢一朗「新庄藩と商人たち―江戸時代の財政を考える―」と題した講演をおこないました。本来、事前予約制(定員20名)で博物館の講堂で実施する予定でしたが、感染症の急拡大を考慮し、オンラインを活用したハイブリッド開催となりました。博物館で受講された方々、オンラインで参加をしてくださったみなさん、ありがとうございました。また、状況の変化に素早く対処され、当日の運営に尽力をいただきました山形県立博物館の方々に厚く御礼を申し上げます。
講演では、『新庄市史』第2巻(近世上)・第3巻(近世下)を参考としながら、山形県立博物館所蔵の「長井政太郎収集資料」と「柴崎家文書」のなかから、新庄藩(戸沢家)に関連する古文書を紹介しました。前半では、中世から続く名家であった戸沢氏が近世初頭に出羽国最上郡および村山郡へ転封となり、明治初年まで新庄城を拠点に領地を得ていた概要をまとめました。後半は、厳しい財政運営をしていた新庄藩に、尾花沢の「豪商」柴崎家などが資金を融通し、飢饉や災害などいっそう困難な局面にあった新庄藩に支援をしていく様子を検証しました。
山形県立博物館、そして山形県内には多くの古文書が大切に保管され、私たちはその内容からさまざまな歴史的事実を教えてもらっています。地元のみなさんがよくご存じのこともありますが、「新たな発見」をたくさんの人々と共有し、未来へとつなぐ役割を担いながら、地域とともに歩む歴史学を実践していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

山形県立博物館令和3年度博物館講座⑥ポスター

参考URL
山形県立博物館 http://www.yamagata-museum.jp/

*上記博物館ホームページTopicsにて本講座が紹介されています。
http://www.yamagata-museum.jp/mudf5mypq-2367/#_2367