2019年度東北大学夏季古文書講座を開講しました。

2019819日(月)から23日(金)の5日間、東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門主催「東北大学夏季古文書講座」を実施しました。この講座は、学生・大学院生を対象に東北地方の歴史資料を調査・研究する人材の育成、今後の歴史資料保全やその活用を積極的におこなう環境作りを目的とした集中講義です。
今回の受講生は事前に応募をされた5名(東北大学1、シカゴ大学1、奈良大学1、明治大学2名)、東北大学日本語教育特別課程で学ぶ留学生2名(イタリア、オーストラリア出身)の合計7名でした。講義では初めて学ぶ学生にあわせた古文書の「イロハ」から始まり、江戸時代によく使われていた用語・人名・元号などを学び、社会の様子がわかる歴史資料を解読しました。
最初は文字そのものが読めないという段階から徐々にくずし方の特徴をとらえ、最終的には文章の内容理解まで到達するという5日間でした。江戸時代のくずし字を読めるのは、「日本人だから」「日本語ができるから」「日本に住んでいるから」という理由ではありません。もちろん現代の日本語が基礎になりますが、日本の歴史・文化について深く勉強したいという意志から上達がみえてきます。7名のみなさんは熱心に受講し、その成果は大きなものだったと感じています。

講座の折り返しにあたる821日(水)には研修として、宮城県白石市・角田市に出かけました。白石市では、「ギャラリー アル・スィラージュ(古代オリエント:ランプの博物館)」や白石城を見学しました。ギャラリーでは文化財の保全に関する知識を得たほか、白石城の展示では城郭・城下町を解説していただきました。また、旧家の邸宅を保存・活用されている角田市郷土資料館では建築様式や東日本大震災後の復元過程、そして地域文化の継承について多くを学んだような次第です。この講座の主たる目標は「古文書を読む」ことにありますが、実際に地域のなかで文化を感じることはとても重要なことだと思います。
くずし字は読んだことがないという人に、まずは資料に何が書いてあるのか、読んでみるとおもしろい、そして研究してみよう、という順序で、「おもしろさ」を実感してもらうのが本講座の意義です。ここからさらに興味が深まっていくことになれば大変うれしいです。(荒武賢一朗)