調査報告:『白石実業新報』の翻刻作業から―「白上鉄道」に関する記事について―。

部門では、白石市図書館との共同調査を実施していますが、同館には明治時代以降に地元で発行された新聞がたくさんありました。

今回は、そのなかから『白石実業新報』をご紹介します。『白石実業新報』は、宮城県刈田郡白石町(現:白石市)で、明治44年(1911)2月11日から大正3年(1914)4月21日のあいだ、毎月3回発行されていました(全部で116号)。内容は政治、経済、商況、地域の学校行事など多岐にわたり、当時の白石の状況や人々の関心事の一端を知ることができます。
たとえば、白石―上山(現:山形県上山市)間を結ぶ路線「白上鉄道」の布設に関する記事が30件近くみられます。明治時代中期から、宮城県と山形県で鉄道布設を求める動きがあり、「奥羽六県ヲ貫通スル中央山脈ノ横断、通路中最モ容易ニシテ安全」などの理由で、白石から七ヶ宿(現:宮城県七ヶ宿町)を通り上山へ至る路線が構想されたのです。記事には地元で誘致を推進する期成同盟会の動向、許認可をおこなう鉄道院に対する一喜一憂、将来への展望を述べるなど、さまざまな内容がみられます。結果的に白上鉄道は開通に至りませんでしたが、当時鉄道の整備がいかに重要かつ急務であったか、またその実現のために人々がどのように尽力したのかを、新聞記事から読み取ることができます。
部門では現在、この『白石実業新報』の翻刻作業をおこなっています。ゆくゆくはその成果を広く公開し、皆さまにご活用頂けることを目指しています。(阿部さやか)

「白上鉄道」に関する記事 白石実業新報