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東北大学東北アジア研究センター Tohoku University Center for Northeast Asian Studies

紹介Intoroduction

上廣歴史資料学研究部門とは

上廣(うえひろ)歴史資料学研究部門(以下「部門」と表記)は、上廣倫理財団の寄附により、2012年4月1日に東北大学東北アジア研究センターに開設された寄附研究部門です。部門では、平川新教授・荒武賢一朗准教授・高橋陽一助教・友田昌宏助教の体制で、これまで培ってきた歴史研究に関する学識や技能を活かし、歴史資料保全・地域協力・学術研究を柱とした各種事業を展開します。

主な事業

・歴史資料の保全活動                      NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークの活動を支援し、災害から古文書などの歴史資料を保全する活動に取り組みます。

        
古文書の撮影作業

・歴史資料学セミナー
学生や社会人向けに古文書講座やシンポジウムを開催し、歴史を身近に体感してもらうと共に、歴史資料保全や歴史研究の重要性を喚起していきます。また、海外でのワークショップも企画します。

          市民向け古文書講座

・歴史資料の積極的活用
                         東北地方の歴史・日本列島の交流史・旅と文化史などをテーマに研究プロジェクトを立ち上げ、各地の研究者と連携しながら歴史資料の有機的活用と学術研究を推進します。

<共同研究「歴史資料学の調査と研究プロジェクト」>
 部門スタッフが主幹を務め、外部の専門研究者とともに共同研究「歴史資料学の調査と研究プロジェクト」を実施しています。この共同研究は、第1班から第4班の4つに分かれ、それぞれの課題に取り組んできました。内容は以下の通りです。

○第1班「江戸時代から現代に通じる東北の歴史」(主幹:荒武賢一朗)
 平成2526年度東北大学東北アジア研究センター共同研究にも採択
 私たち第1班は、近世から近現代における東北地方の歴史事象をもとに各論の分析を深めてきました。そしてこの個別課題は、特定の分野のみに対応するのではなく、ひとつの「こだわり」からさまざまな論点への波及を想定しています。少なくともこの共同研究のメンバーが連携することで、各自が手掛ける史料調査、事例の分析とその歴史的意義、さらに史実の豊富化が実現できたと思います。共同研究の成果は、東北アジア研究専書第12号として荒武賢一朗編『東北からみえる近世・近現代さまざまな視点から豊かな歴史像へ』(岩田書院、20163月刊)で詳しくご紹介していますので、皆様方に御覧いただければ幸いです。

【第1班の成果刊行物】
『東北からみえる近世・近現代さまざまな視点から豊かな歴史像へ』目次

 序章(荒武賢一朗・部門准教授)
第1部 領主と民衆の交差―江戸時代の支配とは何か―
 第1章 近世大名領における財政支出と武士・足軽―仙台伊達家とその組織を中
     心に―
(荒武賢一朗)
 第2章 出羽国村山郡幕府領村役人の江戸廻米構想(野本禎司・公益財団法人コ
     川記念財団専任研究員)

第2部 物流の変化を追う―東北の商工業―
 第3章 近世東北における馬の流通と死馬利用(兼平賢治・東海大学文学部専任
     講師)

 第4章 近世後期の米沢藩における織物業と専売制―嘉永期を中心として―(宮
     田直樹・米沢市教育委員会文化課主任)

 第5章 戦前期東北の百貨店業形成―藤崎を事例に―(加藤諭・東京大学文書館
     特任助教)

第3部 東北地方の人物とその影響力―社会を動かそうとする人々―
 第6章 平田篤胤と「大東亜戦争」―『秋田魁新報』から見る篤胤没後百年祭―(
     三ツ松誠・佐賀大学地域学歴史文化研究センター講師)

 第7章 軍医坂琢治と妻しまの授産事業―「宮城授産場日誌」をてがかりに―(佐
     藤和賀子・山形県立米沢女子短期大学非常勤講師)

 第8章 ハンセン病回復者の社会復帰と宮城県本吉郡唐桑町(松岡弘之・尼崎市
     立地域研究史料館職員)

関連URL 岩田書院ホームページ http://www.iwata-shoin.co.jp/





○第2班「日本列島の文化交渉史―経済と外交」(主幹:荒武賢一朗)

 平成2526年度東北大学東北アジア研究センター共同研究にも採択
 共同研究第2班では、17世紀から20世紀におよぶ時代の日本列島を「内」と「外」の関係を含めて考察を進めてきました。参加メンバーはそれぞれの研究テーマを持ち、対象とするフィールドも多様ですが、その根底にある共通点は「現場へのこだわり」だと感じています。各地に残る歴史資料をひもとく時、大きな発見が絶えず期待されますが、私たちの研究班では、経済や外交の歴史を意識して、その新しい史実との接点を共有したと思います。そして各自が持ち寄る「発見」をもとに、情報交換をおこない、ひとつの論文集にたどり着きました。共同研究の成果は、東北アジア研究専書第11号として荒武賢一朗編『世界とつなぐ 起点としての日本列島史』(清文堂出版、20162月刊)です。ぜひ一度御覧ください。

【第2班の成果刊行物】
『世界とつなぐ 起点としての日本列島史』目次
 序章 世界とつなぐ 起点としての日本列島史(荒武賢一朗・部門准教授)
第1部 商人たちがもたらす地域経済の充実
 第1章 近世関東における干鰯流通の展開と安房(宮坂新・館山市立博物館学芸
     員)

 第2章 文政年間の木綿流通統制をめぐる三井越後屋と鳥取藩の交渉(下向井紀
     彦・公益財団法人三井文庫研究員)

 第3章 近世後期大坂商人の記録と情報鴻池市兵衛家の史料から(荒武賢一
     朗)

第2部 文化と経済の内実外来文化と地場産業
 第4章 近世天草陶磁器の海外輸出(中山圭・天草市役所観光文化部文化課主
     査)

 第5章 内国勧業博覧会における出品者の意図(小林延人・秀明大学学校教師学
     部専任講師)

第3部 「国際交流の現場」を明らかにする外交の実態
 第6章 近世日朝知識人の文化交流『鶏林唱和集』を中心に(鄭英實・韓国
     慶尚大学校慶南文化研究院特別研究員)

 第7章 対馬宗家の対幕府交渉正徳度信使費用拝借をめぐって(古川祐貴・
     長崎県立対馬歴史民俗資料館学芸員)

 第8章 琉球王国の財制と外交儀礼戌冠船をめぐって(麻生伸一・沖縄県立
     芸術大学音楽学部専任講師)

 第9章 フランス領グアドループ島と日本人について実証的研究を目指して
     (ル・ルー ブレンダン・帝京大学外国語学部専任講師)

関連URL 清文堂出版ホームページ 
     
http://seibundo-pb.co.jp/sinkan.html#1049 






3班「旅と交流にみる近世社会」(主幹:高橋陽一)
 日本において旅が大衆文化として民衆の間に浸透したのは、近世(江戸時代)のことです。現代的な旅、言い換えれば今日の代表的文化の源流を辿る意味で、近世旅行史は重要な研究テーマなのです。しかし、歴史研究において旅の近世的特質に迫ろうとするならば、山積する課題と向き合わなければなりません。それは、旅を構成する旅先・旅行者・出立地・道中・領主権力の各要素について指摘できます。
 高橋を代表として立ち上げられた部門共同研究「旅と交流にみる近世社会」では、2013年の立ち上げ以来、年に2回のペースで報告会を開催し、以上のような現状認識を念頭に活発な議論を重ねてきました。そしてここに、成果を一冊の論文集にまとめることができました。具体的な構成は以下の通りです。ぜひともご一読いただき、旅行史研究の深化の様を実感していただければ幸いです。 
       

【第3班の成果刊行物】
 序文 『旅と交流にみる近世社会』刊行によせて
    (平川新・部門長)

 序章 旅と交流にみる近世社会―本書のねらい―
    (高橋陽一・部門助教)

第1部 領域・境界・道中・権力
 第1章 幕藩制社会と寺社参詣―米沢藩の旅人統制と国益思想―
    (原淳一郎・米沢女子短期大学准教授)

 第2章 藩境と街道―境を守る・境を抜ける―
    (菅原美咲・仙台市博物館学芸員)

 第3章 流入する他所者と飯盛女―奥州郡山宿と越後との関係を中心に―
    (武林 弘恵・首都大学東京大学院博士課程単位取得退学)

 第4章 景勝地と生業―出羽国象潟の開田をめぐって―
    (高橋陽一)

第2部 人・地域・交流
 第5章 江戸勤番武士と地域
    (岩淵令治・学習院女子大学教授)

 第6章 民衆の旅と地域文化―阿波商人酒井弥蔵の俳諧と石門心学・信心―
    (西聡子・日本銀行金融研究所アーカイブ アーキビスト)

 第7章 高野山麓地域の日常生活と信仰・旅―地士中橋英元を事例に―
    (佐藤顕・和歌山市立博物館学芸員)

 第8章 宮島の名所化と平清盛伝説
    (鈴木理恵・広島大学教授)

関連URL 清文堂出版ホームページ
http://seibundo-pb.co.jp/sinkan.html#1065
  

          



○第4班「東北の自由民権運動」(主幹:友田昌宏)
 明治7年(1874117日の板垣退助らによる「民撰議院設立建白書」の提出をきっかけに、燎原の火のごとく全国へと広がった自由民権運動。その火はやがてここ東北にも。戊辰戦争後、ひとしなみに「白河以北一山百文」という蔑称のもとに置かれた東北の人々にとって、民権運動はいわば「第二の維新」であり、その先駆けになることによって彼らは「白河以北」を越えようとしました。民権運動が「東北」アイデンティティ形成に果たした役割は小さくありません。かくして、結集した東北各地の民権家たちですが、団結は容易に実現しませんでした。それは、民権運動に託した思い、内面に抱える問題が、地域や立場によってさまざまだったからでしょう。つまり、彼らは「白河以北」の名のもとに結びつきつつも、それぞれの「白河以北」をも背負っていたのです。
 共同研究第4班はこのような東北地方の自由民権運動について各自の関心に沿って研究をかさねてまいりました。20172月に刊行された『東北の近代と自由民権―「白河以北」を越えて―』(日本経済評論社刊)はその成果論文集です。興味がおありの向きは、是非お手に取っていただければと存じます。

【第4班の成果物刊行】
 
序 章 ―「白河以北」から自由民権運動研究に新たな息吹を!   
    (友田昌宏・部門助教)
T 過去の研究が問いかけるもの
 第1章 東北自由民権運動研究史の再検討―精神史の提唱をめぐって
    (河西英通・広島大学教授)
 第2章 宮城県における自由民権運動の展開とその研究        
    (千葉昌弘・北里大学元教授)
U 各地における運動の展開
 第3章 社会的弱者の民権運動―『朝野新聞』にみる宮城県の多彩な結社に注目     して    
    (新井勝紘・専修大学元教授)
 第4章 〈反民権〉の思想史―福島・喜多方事件再考のために
    (松崎 稔・自由民権資料館学芸員)
 第5章 山形県庄内地域の自由民権運動―ワッパ事件と三島県政との関連を中心
     に         

    (三原容子・東北公益文科大学元教授)
V 背景とその後
 第6章 明治初期のハリストス正教会と政治的活動―南部地域における動向を中     心に            
    (山下須美礼・帝京大学文学部専任講師)
 7章 雲井龍雄と米沢の民権家たち―精神の継承をめぐって
    (友田昌宏)
 第8章 自由民権運動から初期社会主義運動へ―単税論を軸として
    (後藤彰信・初期社会主義研究会会員)
東北自由民権運動関係文献目録(友田昌宏)
あとがき(友田昌宏)

関連URL 日本経済評論社ホームページ                   
http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2451
  

     


                  
                   
        

・歴史産業活性化プロジェクト
歴史に関わる産学官民の連携の緊密化をはかり、「歴史産業」を発展させ、地域おこし・教育・出版などにおける成果の社会還元を目指します。
<主な活動>                                 □利府町郷土資料館
 平成25年度ミニ企画展「利府の古文書が伝える江戸時代―小野家文書の紹介

 (2013年12月3日〜26日)の監修…来館者数:324名
 平成26年度ミニ企画展「利府の古文書が伝える江戸時代―小野家文書の紹介U―」
 (2014年12月17日〜2015年2月11日)の監修…来館者数:786名
 平成27年度ミニ企画展「村絵図からみた利府の歴史」
 (2016年3月2日〜2016年4月17日)の監修…来館者数:548名
 平成28年度ミニ企画展「明治・大正時代の利府」
 (2017年3月1日〜2017年5月7日)の監修…来館者数:740名
 

□川崎町佐藤仁右衛門家文書展示
 宮城県柴田郡川崎町佐藤仁右衛門家文書(青根温泉・旅館「湯元 不忘閣」)の展示監修(2015年6月〜)
 
                                    
□大崎市岩出山森民酒造店「昭和レトロ館」
 大崎市誕生10周年記念事業「岩出山から当別へ 歴史の架け橋―吾妻家文書展」
 (2016年9月10日〜2016年9月25日)…来館者数:721名
 



































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